▼2006年4月2006/09/20 12:01 (C) 森の子ども図書コーナー
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『かばくん』
今回ご紹介するのは、昭和37年に初版が発行され、重版を重ねるベストセラー絵本「かばくん」です。
動物園の朝、寝ているかばくんに少年が話しかけます。
「おきてくれ かばくん どうぶつえんは もう11じ ねむいならねむいと いってくれ つまらないから おきてくれ」
こうしてかばくんの一日が、簡単で短い言葉で綴られていきます。このお話には、何の事件も起きません。あくまでのんびりゆったり。何のことはない一日。だけど読んだ後に、何だかほんのり気持ちが柔らかくなるような、不思議な魅力があるお話です。
また挿絵も魅力的。かばくんの表情がとてものんびりとしていて味があり、キャンバス地に描かれた絵は、色や構図がとてもきれいです。
お話の最後は、動物園に夜がきて、かばくんがおやすみするところ。
小さいお子さんが眠る前の読み聞かせにもおすすめです。どうぞこの絵本をゆっくりと読んであげてくださいね。かばくんと一緒によい夢を見ることが出来そうです。
(岸田衿子作・中谷千代子絵・福音館書店)