▼こんな人はいないか?2021/09/20 09:00 (C) ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
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コメの大変な暴落が始まっている。
「原因は業務用を中心とした消費量の落ち込みと、今まで持越した在庫量とが重なって、市場価格を更に押し下げ、生産原価をはるかに下回る価格となっていること」(JA山形おきたま職員)。
それは、コメ作りの大規模化を進めて来た法人経営の農家にとっても、我々の様な家族経営農家にとっても、どの層の農家にとってもやって行けない価格となっている。
「これでまた離農者がたくさん出るだろうなぁ。」と先のJA職員は言う。
これまでもコメ価格の原価割れは長年続いていて、そのことが増え続ける離農者の原因になっていたが、今年の価格の落ち込みは更にひどい。
「でも、なんで静かなんだ?農家の誰も大騒ぎしてないよな。」
「ええ。きっとみんな諦めているんだべな。それに農家だけが苦しいのではなく、商工業者などを含めてみんなが苦しいのは分かっているから・・。」
だからみんなが我慢しているのではないかと言う。
その言葉に、かつて良く聞いた「ゆでガエルの話」を思い出した。水槽の中のカエルに、熱い湯を加えたら、びっくりして逃げ出すが、徐々に時間をかけて温めて行けば、ゆでガエルになるまで逃げだそうとしないというあの話。
そのことは、すでに絶望している水田農家にのみ言える事ではなく、無権利状態におかれている都市の非正規労働者や、女性労働者などにも言えるのではないか。この両者に共通していることは、自分を取り巻く深刻な事態が、政治や社会の仕組みの問題としてではなく、自分の個人的な努力の足りなさ、力不足にあると思っていること。そう思い込み、自分を責め続けていることなのではないか。
もしそうなら、それは違う。そう思わされているだけのことだ。それは政治や人為的に作られてきた社会の仕組みの結果なのであって、それらを変えれば境遇を変えることが出来る。未来を変えることが出来る。社会や経済の為の一つの駒の様な状態から、人の為の社会や経済の仕組みに替えていく。事は単純にそういう問題なのだ。
求められていることは、「ゆでガエル」直前とも言える俺たちの様な人々が、農村と都市の枠組を越えて連携し、ともに生きて行ける、生き続けて行ける社会を求めて「世直し」の1歩を踏み出すこと。そのための声を共に上げていくこと。そこからだろう。黙っていたのでは殺される。
農業の現場から追い立てられる(られた)農民と、労働の現場から追い立てられる(られた)労働者とがのっぴきならない暮らしを抱えて相互に助け合おうとする。同時に、共同の未来に向けて歩み出そうとする。そんな「貧民連合」を作れないか。
夢かもしれないが、そんな構想を単なる絵空ごとで終わらせない知恵者はいないか?
こんなプランを具体的に実現しようとする情熱の持ち主はいないか?
私たちはまず、少数の友人たちと「コメと野菜でつながる百姓と市民の会」を立ち上げた。
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