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▼岩部山三十三観音めぐり紀行33 前編

岩部山三十三観音めぐり紀行33 前編/

第33番「谷汲山 華厳寺 十一面観世音菩薩」

 

世を照らす 仏のしるし ありければ まだともしびも 消えぬなりけり(現在)

 

世を照らす※1観音様の真理(証し)があれば、法(のり)の灯火(ともしび)※2は消えることはないであろう。

 

※1観音経は「普明照世間」あまねく明かりを世間に照らすと説いています。

※2煩悩に迷うこの世から人を導く仏法を、闇夜を照らす灯火に見立てた言葉です。

 

万世の 願いをこゝに 納めおく 水は苔より 出る谷汲(過去)

 

限りなく続く永い世の人々の願いを谷汲山に納め置く。

苔むした谷から清い水が湧いてくるように、汚れ多い世の中で観音様は人々の心を清めてくれることだろう。

 

◇「谷」と「谷汲」をかけています。

 

今までは 親と頼みし 笈摺(おひずる)を 脱ぎて納むる 美濃※の谷汲(未来)

 

※華厳寺は岐阜県(美濃)揖斐川町にあります。

 

長い巡礼の旅で、親のように頼みにしてきた笈摺※を満願結所の谷汲山に脱いで納める身となる。

 

※巡礼者が衣服の上に着る白衣のこと。死装束と同じ意味で着ています。

 

◇「美濃」と「身」をかけています。

 


2020/07/09 09:20 (C) 中川公民館日記
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