▼獅子コレクション拝見2020/04/06 08:52 (C) 獅子宿燻亭8
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長井市十日町のトアルお宅に獅子頭のコレクションされているという情報が入ったのでお邪魔した。
ご当主が生前に買い求めたものだが、現在調べている長谷部健吉氏の作と小屋の渡部亨氏の作も所蔵されている。
こちらには2・30年も昔、一度お邪魔し拝見しているが再調査をさせてもらうと、獅子頭が2頭増えていて合計6頭所蔵
されていた。
昭和50年(1975)12月吉日 長谷部健吉氏の作 赤獅子一対
昭和53年(1978) 長谷部健吉氏の作 黒唐獅子1頭
昭和63年(1988)7月吉日 渡部 亨氏の作 総宮系黒獅子1頭
小品サイズ
記名無し 総宮系黒獅子1対 (1頭は娘さんの嫁ぎ先に譲渡)
記名無しの黒獅子は初めての作風で、知人の長井市神明町の高橋 繁氏の作だという。
奥さんのお話では、ご当主は、格別獅子舞や獅子頭を好んでいた風でもなくコレクションされていたというので
驚く。まぁ口ではそう言っても、心の底では身近な総宮神社や白山神社の獅子舞に親しみを感じておられたのだろう。
そうでなければ6頭も買い求めたりはしないだろう。
長谷部健吉氏は幸町 旧長井中学校に技術の教諭として赴任されていた時の恩師だという。長谷部氏は30代で早期退職
され埼玉に移り、10年後山形市に家を建てて移ってから獅子頭の制作を始めたという。緻密な造形で塗りも大変綺麗に
仕上げられた獅子頭である。タテガミは少しカールした化学繊維を使用し個性的な作風の獅子を制作している。山形市
に息子さんが、ご健在なので取材してみたい。
渡部 亨氏の獅子頭は幸町の熱海長吉氏の塗りで、亨氏から獅子の木地を直接買い求めて熱海氏に塗りを依頼した。どこ
か草岡津島神社の獅子頭と似ている作風で、亨氏作の晩年の逸品で、32年も時代を経たようには思えない美しい仕上が
りを見せている。
勉強不足で高橋 繁氏の作は初めてお聞きする獅子彫り師で、制作はバスのドライバー退職後に始められたという。
バスのドライバーに従事された方の獅子彫り氏は本町の鈴木政次氏、上伊佐沢飯沢藤市氏などで、高橋氏には後日取材に
お邪魔したいと考えている。
まだまだ、未知の獅子彫り師が数多くいらっしゃるようで、アンテナ修正に気が抜けないのである。