▼「転機」のキャリア理論からUターン転職を理解しよう Part1(変化を見定める)2020/03/04 11:00 (C) 山形転職.com(https://山形転職.com/)
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こんにちは、山形転職公式Twitter中の人です。
おかげさまでTwitter、山形県以外のフォロワーさんからもたくさんフォローいただいております。いつもありがとうございます。
山形転職で転職をする方のおよそ3割がUターン希望者ですので、引き続きたくさんの方に情報をご提供して、山形へのUターン転職をお手伝いしたいと考えております。
さて、私たちは、日常のご転職支援において、電話やインターネットツールでのリモート面談の他に、定期的に東京へ面談に出向いたり、年末年始、お盆期間などの長期休暇期間中に面談日程を組み、それぞれの皆さんの心配事のご相談を受けたり、山形の事情についてざっくばらんにお話したりしています。
ご相談者一人一人に合わせていつもお話をさせていただいているのですが、今回は、皆さんの転職活動の役に立ちそうなキャリア理論を交えながら、一般的なUターン転職の相談の進め方をご紹介したいなと思い、国家資格キャリアコンサルタントで自身もUターン転職経験者の佐藤大輔に登場してもらって、インタビュー風に記事を書いてみました。
山形転職Twitter中の人(以下 山形転職):Uターン転職とシュロスバーグの理論を絡めて記事を書きたいと思ったのですが。。。
佐藤大輔(以下 大輔):唐突になんだか難しそうなことを思いついたね。それはどういう狙い?
山形転職: きっかけは、Uターン転職の相談を受けた時に、「家族の理解」が十分に得られていない状態で話を進めようとされている方が多いなぁという印象を受けたからです。
山形転職:パッとつぶやいてみたのですが、「リソースの点検」と言っても、そういえば一般の方にはあまり馴染みがないかなぁと。。。「リソースの点検」という考え方があるシュロスバーグの転機を乗り越えるためのキャリア理論を、Uターン転職っていう具体的な事例に重ねて記事にできたら、山形転職はもっと格調高い知的な転職情報サイトになるのではないかと思ったのです。
<シュロスバーグの理論の概要>
シュロスバーグの理論は、アメリカのキャリアカウンセラーの研究家ナンシー・シュロスバーグという人がまとめたキャリア理論の一つ。人生で遭遇するさまざまな出来事のうち、人生に大きな変化をもたらす出来事(例えば、就職、転職、結婚、離婚、親の死など)、いわゆる「転機」を乗り越えるための考え方を体系化したもの。
シュロスバーグの理論による【転機を乗り越えるための3つのステップ】
1)変化を見定める
・自分の転機を認識する
2)リソースを点検する
・転機を乗り切るためのリソースを確認する
3)転機を受け止める
・転機を乗り切るための戦略を立て、そのためのリソースを強化する
大輔:転機をどう捉えるか、その転機をどう乗り越えていくのかを整理したのがシュロスバーグのキャリア理論なので、書きたい記事の方向はあってると思う。
山形転職:お願いします、格調高く知的な要素も広げていきたいのです。
大輔:格調高い知的な転職情報サイト。。。大変そうだなぁ。。。(> <
まず「転機」というのを整理してみると、自分で“そうしよう”と思って実際に起きた出来事、“そもそも何も考えてなかったけど起きちゃった出来事”というのと、“そうしようと思ってたけど起きなかった出来事”と、転機があるのね。
解説:シュロスバーグの理論に基づく「転機」の位置付け
「転機」というと、何か出来事が起きたことだけを想定してしまうが、シュロスバーグの考え方だと「期待していた出来事が起きなかった」というのも転機。
例えば、「第一志望校に合格した」「お付き合いしていた人と結婚した」というものも、「突然異動の辞令が発表された」「会社が倒産した」という何か出来事が起きたということも、「第一志望の就職先に就職できなかった」「異動の希望が叶わなかった」「30歳までに結婚しようと思っていたけれど良い人に出会えなかった」なども、同じく転機と言える。
で、まずは「あ、こりゃ転機だな」と認識することが大切になるんだそうだ。具体的な準備を始められる心構えを作っておくことが大事、みたいなことだね。
山形転職:なるほど。そういう観点では、「転職しよう!」と思って活動するのも、会社の業績悪化などで転職しなきゃいけないっていう時も、同じ「転機」ですね。
大輔:そうだね。転職という括りで考えると、自分一人だけであれば覚悟さえ決めて動けばあまり難しくないんだけど、家族を伴ってのUターン転職の場合は、そうはいかない。
家族も「転機だな」とちゃんと認識しておかないと、家族の反対によって話が頓挫することがある。
なので、Uターン転職のご相談いただいた時には、必ず「家族の理解はどのくらい進んでいるか」を確認する。
山形転職:え、自分の転職なのに家族の理解の確認から入るの?
大輔: Uターン転職に伴う「転機」は、Uターン転職で相談にいらっしゃった本人だけでなく、今一緒に住んでいるご家族にとっても大きな「転機」なので、家族の理解がなければ企業のご紹介だけ進めても前に進めないし、無理に進めていくことによって、家族内の不仲が起きてしまうことも少なくない。
山形転職:ご相談者本人は前々から考えていたとしても、家族にとっては突然聞かされてびっくりする、ということもありますね。
大輔:そう。で、本人が進めても、家族が納得しないで決められない事態が時折起こる。その象徴的な言葉が「嫁ブロック」。
山形転職:嫁ブロック?
大輔:今時「嫁」という表現はどうなのかなというのもありますが・・・
例えば夫が山形出身者、妻は東京生まれ東京育ち、と言うご夫婦がいたとしましてね。
山形に帰るという話までは妻は理解していても、「収入が減るというのは聞いてないし、それは許さない」みたいなことが起きるの。お嫁さんがブロックするから、「嫁ブロック」ね。
給与相場の話はまた別にするけれども、逆の立場で考えたら気持ちは想像できる。
家族の視点で考えた時、例えば500万円の年収が、300万円に下がる転職を、家族は勧めると思う?
山形転職:勧めない。全力で止めたい。不安でしかない。
大輔:例えば首都圏から山形にUターン転職するよ〜って言うのは、そういう状況にちかい。
山形の給与相場は、東京の給与相場の6割くらいと言われてるのよ。
おなじ職種の仕事でも、東京を100としたら山形は60〜70くらい。
我々としてはなるべく働く人の収入が高くなるよう企業人も働きかけているんだけど、会社の事業規模やビジネスモデル、その地域の法定の最低賃金が基準になったりもするので、結果的に同じ職種同じポジションであっても年収は下がる傾向にある。
そして、それで山形の人たちは暮らしているという事実もある。
山形転職:最低賃金・・・ん〜、考えさせられる・・・
大輔:賃金だけでなく、それ以外にも、例えば公共交通機関や、雪の状況。
山形転職:こういうことですか?
大輔:Twitterに出した画像だねw。夏に意気揚々と移住してきても、冬場の苦労を知って、やっぱり山形を離れるという人も少なくないらしい。
あとは嫁姑の問題とか。
山形転職:転職で嫁姑問題勃発ですか?
大輔:旦那さん側は同居するつもりで考えていたけど、奥さんにはそのつもりがなかった、とかね。山形は3世帯同居率が高いから、山形で周り見渡せば同居家族も多いけど、山形県外育ちの人はそうじゃないから「え、同居するの?嫌だわ」ということもある。
「田舎に帰ったら同居当たり前」みたいな認識だと、後で話がこじれちゃう。結果「やっぱり山形いくの辞めます」ということも少なくない。
山形転職:だんだん、転職から話が離れてきてないですか?
大輔:シュロスバーグもどっかいっちゃったね。
まとめると、転職だ〜と言って仕事探しを始める前、あるいは具体的に企業にアプローチをかけて選考に進める前に、Uターン転職で起きうることを家族みんなで想定しておく必要があるということなのです。
じゃ具体的に、何を想定しておくか、というのも、シュロスバーグの理論の中にある。
1 役割はどう変化する?
例)親と同居したら息子・娘という役割が日常的に発生したり、子どもが生まれたら親としての役割ができたりする。
2 人間関係はどう変化する?
例)これまでの仕事の繋がりは減って、地元の町内会や子供会の集まりの頻度が増えたりするかもしれない。
3 日常生活はどう変化する?
例)収入の減少があったり、車での移動が当たり前になったり。夜に飲みに行く回数が少なくなったり。
4 自分や世の中に対する考え方が変化する?
例)都会にいた頃と考え方が変わる。都会のランチ情報とかテレビで見ても気にならなくなるとか?
山形転職:これらの変化を考えることが第1ステップになるんですね。。。ということは、まだ結構続きそうですねぇ。
大輔:うん。今日じゃ終わらないから何回かに分けよう。
山形転職:思いつきが結構大変なことになってきた。
今回の山形転職のまとめ。
シュロスバーグの理論による「転機の乗り越え方」の第1ステップは、「転機がもたらす変化を認識する」ということ。
ここまで話した山形へのUターン転職がもたらす変化を整理し、家族とともに理解しておくことがまず大事、というのが今日のお話でした。
次回は第2ステップの「リソースを点検する」をUターン転職の場合に沿ってかいてみたいと思います。
自分自身だけでなく、家族も含めて転機がもたらす変化を考えてみるべし。
続きはこちらから Part2(リソースを点検する)