▼五所神社で入魂式2019/08/08 08:46 (C) 獅子宿燻亭7
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新しい獅子頭に神霊を移すという入魂式、立ち会える機会は稀である。
大抵は総代幹部や役員内で済ましてしまうものだが、獅子頭の奉納者
の村雲警護の厚い意向で呼んでいただいた。
中央が竹田吉四郎の作
新しい獅子頭は神殿前に獅子箱の上に安置され無事神事が執り行われ
た。一作目は現在バリバリの現役で平成18年頃、地区の有志の方から
奉納された。昭和初期の竹田吉四郎の作の獅子をモデルにし制作。
渡部 亨の作
太田康雄の作
二作目は合祀された明治期の大澤神社の獅子、梅津弥兵衛の作をモデ
ルにした。一回り大きいが重さは6キロ前半と比較的軽く仕上がった。
五所神社特有の獅子を突き出すような「千鳥風」の動きに、鋭さが増
すのではないかと期待している。獅子振りの古老に聞いてみると、こ
の動きは以前と少し違い最近進化したものだという。以前と言っても
2〜30年前から微妙に変化し定着した所作で、伝統芸能の持つ地域性
なのだろう。
神事が終わり一時間程稽古し、中帳場(稽古期間の半ばで行う心合わ
せと慰労会)が社務所で予定されていた。五所神社の社務所は比較的
大きく、厨房、広間と更に二部屋ある。壁に記念の写真が数多く展示
され興味深い。拝殿に置かれた獅子箱を発見し見てみると・・
明治22年旧六月吉日 長井町大字宮 塗師人 斎藤清三郎
と記名があった。
五所神社には新調獅子を含め七頭の獅子頭を所蔵しているが、一頭
記名が無く作風も推測できない作者不詳の獅子頭がある。是非この
機会に調べてみたいと考えていた。
獅子箱の蓋にも奉納者の連名が残されていた。この記名の中に
立元中(たてもと中) 「立獅子」
とあるが聞き慣れないフレーズである。立元中は今風で言えば主催者
で立獅子は獅子舞を取り仕切る祭典委員の役割だろうか?
さて問題の獅子頭について(獅子や箱の記名より)
1. 明治22年 不明
2. 明治39年 小関久蔵の作 塗師は飯豊の黒沢 渡部頼太郎
3. 昭和初期 竹田吉四郎の作
4. 平成六年 太田康雄の作(作風は渡部 亨の作)塗師熱海長吉
5. 平成期 太田康雄の作
6. 平成17年 渋谷正斗の作
7. 令和元年 渋谷正斗の作 以上
不詳の獅子頭については明治22年の記名ある獅子箱に隠されている。
獅子箱を見つけたその時、右側面に荷物があり確認できなかったので
再調査しなければならない。平成6年の太田康雄の作は、渡部 亨の作
風で渡部氏が亡くなった後の作で、渡部氏作の木地を太田氏が仕上げ
納めたのではないだろうか。
拝殿には古い重厚な化粧回しも二対額装され展示されていた。