▼エレベータ事故に思う2006/06/13 01:58 (C) JR7CWK'sぶろぐ
▼1.ハインリッヒの法則 よく事故の発生頻度について世間でよく言われるのが、「ハインリッヒの法則」という1対29対300という数字。
これは300回の軽微なトラブルがあると、そのうち29回はなんらかの被害が発生し、1回は重大事故につながるというものです。 今回の事故もここに至るまでも数々のトラブルがあったようです(1台のエレベータとして見る事だけでなく、稼動中のエレベータすべて含んで見るという見方も可能)が、重大事故につながる可能性のある「軽微なトラブル」を軽視していなかったのでしょうか。 2006/06/13 01:59:cwk
▼2.故障の症状とその原因 エレベータという機械を「制御」する仕組みを考えて、故障の症状とその「真」の原因を追ってみます。
(なお今回の事故原因とは直接関係のない話になると思いますが、一見「軽微」に見えるトラブルの陰に、重大な「トラブル」が隠れている可能性があるという事例です。) もちろん、私自身はエレベータの開発に携わったわけではないので想像の域を越えない部分があるかも知れませんが、「制御」という見地からすると、そうは外していないと思います。 例1.停止する階を示すランプが点かない、というトラブル このトラブル、一見ランプ自体が切れてしまったという軽微なものと思われがちですが、実はエレベータを制御するコンピュータのトラブルや、センサー等の不具合によりランプが点かないという「重大な」トラブルが隠れている可能性が考えられます。 コンピュータ関係のトラブルの原因には、コンピュータ自体の暴走やハングアップ,プログラムのバグ等の結果に起こると考えられ、コンピュータを「リセット」すれば一見直ってしまうと思いますが、実はリセットしただけでは本当の「原因」が直っていないという厄介なものの可能性があります。 しかも暴走やハングアップの原因には、ソフトウエアのバグだけでなく、電気的なノイズや電磁波等,静電気の放電によるノイズの影響も考えられ、これらは偶発的な事もあり不具合の再現性に乏しく、場合によっては修理しようとしても「根本的な修理」に至らないケースも考えられそうです。 例2.目的の階に停止したのにドアが開かない ドアが開かないのにも「理由」があるはずで、単なるドアの開閉機構のトラブルだけでないかも知れません。 停止位置がずれた時に「安全の為に」ドアを「開けない」というシーケンスが組んであるはずだからです。 つまりドアが開かなかったのは「停止位置がずれた為」為に「安全機構が作動した」可能性があり、真の原因はなぜ位置がずれたか。という事になると思います。 つまり・・・ドアが開かないというのには、重大なトラブルが隠れている可能性があると考えるのが妥当です。 2006/06/13 02:02:cwk
▼3.企業の体質 ここの所日本国内では大企業による不祥事が相次ぎ、M菱自動車のリコール隠しや、M下電気の温風ヒーター事故,J○の列車脱線事故等で、各社叩かれているのは皆さんご存知のとおり。
なのに・・・今回のエレベータの製造元は、他社が行った保守点検のせいだけにし、まるで、自分の所に非はないという発言。本当にそれでいいのでしょうか。 まだ真の原因はわかっていませんが・・・ 世界で2位のシェアを誇るとか言って、その座にあぐらをかいて、やるべき事(原因究明と再発防止の徹底etc・・・)をやらなければ、ユーザーの信頼を得る事はできず、あっという間に地に落ちてしまうでしょう。 海外でも似たような事故が起こっていた事がわかるにつれ、それを徹底してやってこなかった挙句にこのような事故が起こっているといわざるを得ないような気がします。 2006/06/13 02:04:cwk
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起こってしまいました。
コンピュータ制御の精密機械、すなわち「メカトロニクス」である
エレベータ。
エレベータそのものではありませんが、電子部品製造用の自動機械の
開発・デバックに携わった経験から、事故について思った事が
いくつかありますので、それを書き綴ってみます。