▼災害VC実地研修会に参加して2012/10/19 22:20 (C) 〜こころに届く花贈り〜ムスメヤ花店
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山形県や山形県社協が定期的に行っている災害VC(ボランティアセンター)運営研修会。
今回は実地研修という名の通り、現地を訪問する研修です。
県庁集合の後、出発したバスの車内で事前学習。主催担当者が周到に準備してくださった旅の栞?
読み込むほどに意欲も高まります!
最初に訪れたのは宮城県社会福祉協議会。昨年まではなかった復興支援対策部署を設けて通常業務に移行後、現在は当時の問題と課題を抽出した報告書を作成中とか。
お忙しい中、その報告書の抜粋をもとに丁寧にご説明いただきました。
次に向ったのが岩沼市社協。こちらは震災から4ヶ月間、災害VCを設置・運営しボランティア受け入れによる復旧活動を実施。語り尽くせないほどの多くの経験の中からひとつひとつご説明いただきました。
発災直後は待っていてもニーズはあがってこない! ニーズは取りに行く。災害VC閉鎖の直前にも聞き取り調査を全戸に対して行った。
発災翌日から行った一人暮らしの高齢者への日用品・食料の宅配では、平常時に行っていた同様の給食配送業務のしくみが役だったとか。
夕方6時出港のフェリーに乗って、この日の宿となる桂島の民宿へ。
前日に解禁になったばかりと言う牡蠣をおなかいっぱいご馳走になりながら、宿のご主人から当時の話しを聞くことができました。
この島は海水浴場のある南から押し寄せた津波がそのまま島を飲み込み、北側にある漁港にまで被害が及びながらも、誰一人犠牲者を出さなかったそうです。
廃校になった小学校の校舎が島の一番高いところにあり、皆さんまっすぐそこに避難したとか。地震のあとには大きな津波が来ることを代々語り継いできたことが皆さんの命を救ったことがわかりました。
翌朝はちょっと早起きをして、島を散策。
今は穏やかな海、荘厳な御来光。
朝食からこんなに贅沢、牡蠣めしに蟹汁。
地盤沈下により海水が入るのを防いでいました。
ボランティアの手が全くと言っていいほど届かなかったこの島には今、山形大学の学生が毎週末訪れ活動しているそうです。「もう息子・娘のようでうれしくてさ。有り難くてさ!本当に」と会う人会う人口々に言っておられました。
息の長い堅実な行動が、なにより心の支えになっていることを感じました。
フェリーに乗って塩釜に戻り、そのまま移動し大崎市社協へ。
通常業務でお忙しい中、こちらでも丁寧な対応をいただきました。
こちらの社協さんは発災時、入口からまっすぐのエントランスで災害VCを運営していたそうです。
当時は春休みだったと言うこともあって、地元の中学生・高校生が多くボランティアに参加してくれ助けられた。
当初は子供だからという変な遠慮があったが、子ども達の明るい対応や姿に大人の私達が元気付けられていた。
7市町が合併してできた大きな市で、運営管理しているいくつもの福祉介護施設には多くのお年寄りが身を寄せている中で、遠く離れた病院に薬を受け取るために自転車をこいで一日ががりで行ってくる。そんなボランティアを毎日してくれた。
復旧作業用の資機材が調達できないなかで、自宅からスコップや一輪車を持参して来てくれる高校生もいた。
社協として現在は、当時次々に起こった問題や課題に翻弄した苦い経験を次に活かすために、部署毎の課題抽出をもとに仕組みづくりを始めているそうです。
社協としての業務ではこれまで関係のなかった学校や地元青年会議所とのつながりを構築するための活動をはじめているなど。
その内容には、聞いている私達の方が励まされるほどでした。
この二日間の経験はとても大きいです。それぞれ当時の現場担当者から実体験を、生の声を聞くことができた私達は、このことを次に活かさなければなりません。山形の各地域での次なる備えにどう活かしていくのかが試されていますね。