▼天地人(てんちじん)について2008/04/10 17:00 (C) 戦国観光やまがた情報局
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主君・上杉景勝を生涯支え続け、幾多の困難を乗り越えて、米沢藩の基礎を築いた上杉家執政・直江兼続が主人公。俳優の妻夫木聡(つまぶき・さとし)さんが主役を演じます。
原作は、火坂雅志氏の小説「天地人」(NHK出版:上下巻)、脚本は、NHK連続テレビ小説「どんど晴れ」などを手がけた小松江里子氏が担当されます。
「天地人」という題名の由来は?
「北越軍談付録 謙信公語類」に出てくる、「輝虎(謙信)公の曰く。天の時、地の利に叶い、人の和ともに整いたる大将というは、和漢両朝上古にだも聞こえず。いわんや、末代なお有るべしとも覚えず。もっとも、この三事整うにおいては、弓矢も起こるべからず、敵対する者もなし」から採られています。「北越軍談」は、江戸時代にまとめられた越後上杉氏に関する軍記物です。
分かりやすく現代語に訳すと…
「あるとき謙信公がおっしゃた。天の巡り合せが良く、地勢の有利さに恵まれ、家臣・領民がよくまとまっている、この3つがともに揃っている大将(指導者・リーダー)というものは、日本の歴史、中国の歴史、神話に近い大昔にまでさかのぼってみても、存在したという話は聞いたことがない。それどころか、未来の世の中にでさえ登場するとは思えない。もっとも、この三事(天の時・地の利・人の和)が揃っているのであれば、戦争が起こったりはしないし、その大将に敵対するような人物も現れないだろう。」
つまり、「天地人」の三拍子が揃った大将こそが、理想とすべき大将なのだ。ということでしょうか。
もともとの「天地人」
これは、中国に古来から伝わる「物事を成就させるためには『天の時、地の利、人の和』の3つの要素が大切である。」という教えからきた言葉のようです。
もちろん、謙信はこの中国の教えをふまえたうえで、先の発言をしているわけです。戦国武将として、当時一流の教養を身につけていたことがうかがい知れます。
天下人?天地人?
「天地人」を“てんちびと”と呼んだ人がおりました。
「天下人(てんかびと)」の反対で、天下を取ろうとして取れなかった人のことを「天地人(てんちびと)」と言うのでは? と思ったとのこと。
この“てんちびと”の意味でも「天地人」のストーリー的には、当たってなくもないのですが、残念ながら“てんちびと”という言葉は無くて、“てんちじん”が正しい読み方です。
ちなみに、「天地人」は「天」と「地」と「人」が合わさってできている言葉なので、読み方のアクセントは「てん」の部分にあって、少し単語を離すのだそうです。
「てん・ち・じん」 こんな感じでしょうか? 「てんち・じん」ではないそうです。 NHKの方に教えていただきました!