▼朝日町今平の獅子頭発見2023/04/10 08:59 (C) 獅子宿燻亭10
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百花繚乱、花も嵐も乗り越えて季節は巡る・・しかし昨日は朝、目覚めると雪が舞っていた。
名残雪も儚く、昼には消えて桜にも笑顔が戻ったようだ。
2時過ぎから朝日町の今平(こんぺい)地区に向かった。4月の第二日曜日が地区の虚空蔵尊
の例祭日で朝に旗上げをして雪囲いを解く作業と聞いている。参拝する人も少ない為に特別な
行事も無くなったと言う。3時前に到着すると、数名の方々が旗を片付ける作業に取り掛かろう
としていた。事情を話し、獅子頭の所在について尋ねるが皆はっきりしない。てっきり新しい公
民館にあるだろうと予感していたが、予想は外れた。そのうち旗下ろしの作業が始まり、微力な
がらお手伝いをして旗竿を担いで倉庫の様な建物内に収納していた。するとその建物の奥から、
獅子頭が見つかったから見る様にとの声が掛かった。建物は元公民館で、下は講堂を倉庫にして
二階に部屋があった。床の間にあると言うので恐る恐る二階に上ってみると畳敷の部屋で、窓ガ
ラスが割れ、忘れられた部屋だった。獅子頭は確かに床の間にあり、座布団の上で静かに眠って
いた。
前歯が下の歯に合致せず唇に重なる型で激しい歯打ちは想定していない
虚空蔵尊の隣の方は80歳を超えるが、幼少の時の記憶と、一時的に子供会で獅子頭で悪魔払いで
地区を回った記憶があるぐらいで地区の方々からは全く疎遠になっていた。以前は獅子毛模様の獅子
幕もあり専用の箱もあったが、いつしか亡失してしまったと言う。
黒い獅子頭は小型のもので神楽で用いられる獅子頭だった。記名を探したが無く舌も損失し、耳も
後から作り足されたものだ。子供達の悪魔払いで回った時の大工さんの修繕らしい。今平の獅子頭の
軸棒を見ると歯形の傷があり、被って軸棒を噛んで固定する神楽獅子ということになる。
この獅子と似た表情の獅子頭が浮かんできた。白鷹町東高玉の稲荷神社の獅子舞で用いられる鮎貝型
の獅子では無く倉庫に保管されていた3頭の一つだ。という事は、東高玉の地区でも、鮎貝型の獅子舞
と同時に神楽獅子が行われていた可能性がある。しかし、すでに時遅し神楽の存在を証明するものは、
失われている。
特に目の金箔か銀箔の鈍さ、目に描いた黒い輪郭が共通している
眉毛の彫りが独特
今日の例大祭の為に法印様が宮宿からいらっしゃっていると聞いたので、法印様の元の家に訪れてみ
た。法印様からお話を聞いているうちに、向の山頂に大神宮の石碑がある事を伺って
案内していただいた。今平の集落の中央に白鷹の黒鴨、栃窪から通づる裏街道があり、隣の集落の大舟
木や宮宿にも至る山道があるのだという。そこを通って険しいS字坂を登り、細い山道を上と石碑や墓
石があった。大神宮の石碑が建立されたのは大正期で比較的新しい。