▼畔藤雷神社の獅子修理塩梅2023/07/08 06:01 (C) 獅子宿燻亭10
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白鷹町畔藤の雷神社には二頭の獅子頭が所蔵されている。
昭和9年、浅立の小形善四郎の作と畔藤の板谷氏の作があるが、もう一頭あったという話を
記憶しているが定かでない。
善四郎獅子は頭部が重い栃、顎が桐で作られ比較的重い獅子頭である。
修理を始めると、差し込んだ顎の軸穴部に隙間があり、ヒビも見受けられる。釘でぐらつき
を修理した痕があり、軸穴部の補強に鉄板を貼り固定していた。
舌の根元に強度が落ちるカミキリムシの穴
新しい舌を当てがう
舌はボルトで固定され、表面から露出したままの状態で危険。
上下前歯もヒビが入り、下顎の塗面を剥がすと、桐の芯が前歯の直ぐ下に残っていた。
右の鼻の内部を削ると内部にはウロ穴があり、ヒビの原因になっている。
右の鼻の中に処理をしていないウロの部分が現れる
頭部の内部 歯の部分に亀裂 木目をみると芯から近い木取りをしている
耳も栃材なのだろう、重くて軸棒の根元にヒビが入っていた。
軸棒は軸穴との摩擦ですり減り上部の軸棒は緩んで抜け落ち、応急処置をしていた。
頭部は軽症だが、顎は作り直しを勧告するか迷ったが、FRP(強化プラスチック)での
修理を行う事を決めた。
FRPで補強し表面を研ぐ・・硬化する前にサランラップでカバーすると仕上げが楽
現在、獅子頭は金箔の工程に入っている。
仕上がったらタテガミを増毛する予定、きっと若返って蘇るだろう。
耳は板谷獅子の耳と交換